だけど、

いつまでもそのままでいられるわけはない。


『俺、時田さんのことが好きなんだ』


優はいつでもモテた。


学年で1番頭いいやつとか、

サッカー部のキャプテンとか先輩とか、

とにかくモテた。


優が告白されるたびに俺はそわそわして、

いてもたってもいられなくなる。


いつも、ごめんお待たせって

戻って来てくれることにひどく安心した。


『優はさ、誰かと付き合おうと思ったりしたことないの?』


この日の放課後。

思い切って聞いたら、ビックリする答えが返って来た。


『いいの?』

『え?』

『私が誰かと付き合ってもいいの?』


お互いに歩く足が止まって、じっと見つめ合う。


何て言ったら正解なのか、全く分からなかったけど

気づけば俺は声に出していた。