「なんだとテメェ!」
「そんなヒョロイ体で俺たちに適うと思ってんのか?ァア?」
相手を挑発する先輩。
先輩の腕は細くて白い。
相手と比べるとかなり差があった。
これ、マズいんじゃ……。
そわそわして先輩と男たちを交互に見ていたら、
春先輩は殴ろうとしてきた相手の腕を掴み、腕をひねりあげた。
「痛……っ、おい、やめろ!やめてくれ」
ウソ……。
すごい強い。
どこにこんな力があるんだろうというくらい
簡単にふたりを抑え込んでいく。
「分かった、もう手出さないから」
「勘弁してくれよ……」
男たちは腰を抜かしながら立ち去っていった。
それを見てふぅ、とため息をつく先輩。
すごかった。
「あの、先輩。ありがとうござ……」
私がそこまでいいかけた時、先輩が言った。


