そんなことを思いながら足を早めて歩いていると。
――ドンッ。
「っ、てぇな」
前から来た人に気づかずに、ぶつかってしまった。
「すみませ……」
「おっ、ラッキー!可愛い子見っけ」
「本当だ。桜が丘の制服じゃん」
ぶつかった人は、金髪の男2人組で、
派手な格好にじゃらじゃらと体にアクセサリーをつけている。
大学生くらいの人だろうか。
ガシっと腕を掴まれてジロジロみられることに
嫌悪感を覚えた。
「あの、放してくれませんか?」
なんでか分からないけど、
こういう人にはよく絡まれる。
慣れた手つきで手を振り払うと、
男たちは言った。
「ぶつかって来たんだからそれなりにお詫びしないと駄目でしょ」
「そうそう俺たちとちょっと付き合ってよ。
楽しいとこ、連れてってあげるからさ」


