ホチキス止めが終わった資料をトントンと整えていると、

ちょうどよく担任が入って来た。


「ありがとうな、橋本。

本当に助かったよ」


担任は約束通り、ジュースとお菓子を

私にこっそり渡してくれた。


時計を見るともう18時を指している。


あれ、意外とこんな時間だ。


案外早く終わったと思っていたけど

けっこう時間がかかっていたらしい。


教室を出て下駄箱に向かうと

外は薄暗くなっていた。


私は靴に履き替えて学校を出る。


駅までの道はいつも先輩と一緒に帰っている。


学校から駅まで20分くらい。


いつもは早く着いてしまう駅までの距離も

今日はなんだか遠く感じた。


「寂しいな……」


誰もいない中。

私はポツリとつぶやく。