春先輩と話し終えて、屋上を後にした私は

すぐに靴を履いて学校を出た。


追いかけなくちゃ。

清水くんのことを。


全てが終わった今日。

彼には伝えたいことがある。


大事な、大事なこと。


私は走りながら清水くんのことを考えた。



いつもまっすぐに

私だけを見てくれた清水くん。


彼が私の名前を呼ぶことで

私は何度も救われたんだ。


ねぇ、清水くん。

ちゃんと伝えられるか分からないけど


私の答えを聞いてほしいな。


走って、彼の帰る帰り道を辿るけど

清水くんはいない。


見つかるかな。

ううん、絶対に見つける。


今日伝えなきゃダメなんだ。


すると目に入る公園。


ーーいた。


緑が生い茂るベンチに、

彼はひとり座っていた。


走って彼の元に向かう。