どうして自分を好きだと言ってくれる人を好きになれずに、
他の人を見ている彼を好きになってしまったんだろう。
後悔はないと言い切ったはずなのに。
どうして、どうして。
と心の中で考えることをやめられない。
しめつけられるような辛さを持っていても、
それでも春先輩が好きだった。
伝えてはいけないその気持ち。
伝えてしまった以上、関係は必ず変わる。
そのままでいられるわけはない。
もう、先輩には会えない……。
私は放課後。
ひとり教室で窓の外を眺めていた。
今、先輩はなにしているだろう。
「行かねぇのか?」
すると後ろからやって来た清水くんが私に声をかけてくる。
「もう行かない」
そうやって答えたら、彼は言った。
「話して来いよ。
後悔つーのは何年経っても消えないものだぞ」