「あのね、清水くん。
つまらなかったら、楽しくなるように清水くんがすればいいじゃない」
周りに求めてはダメ。
人は変わろうとしなければ変わらないわよ」
変わらない……か。
けっきょく吉岡は俺を怒ることも、
学校に報告することも無かった。
『振り返って思い出した時に
あの時は楽しかったって思えるように生きなくちゃね?』
そう言葉を残すと、俺に声をかける。
『また明日』
そうやって言って
絶対に学校に来るようにと間接的な約束をした。
行くしかない約束を吉岡は取り付けた。
めんどうなら、校長に報告して退学にしてしまえば良かったんだ。
だけど吉岡はそれをしなかった。


