すると、吉岡は俺の手を取る。
『こっちに来なさい』
俺が手を引かれるがまま、強引に連れて来られたのは学校だった。
校長のところに連れてかれて退学とか?
それか停学とか。
まぁそれが妥当だろうな。
別にいいけど。
めんどくせぇなとは思いつつ、
手の火傷が気になる。
熱いよな?
跡残るだろ。
女の癖に火に触るなんて、なんヤツだ……。
こうしてやって来た場所は
現国の教師だけが入れる教科室だった。
中に入ると吉岡は手を冷やしながら聞いて来る。
『あれが初めて?』
『えっ』
『タバコ。吸ってはないわね?』
『ああ、まあ』


