知ったらどうする?!?!〜ヤバな世界〜

「結婚記念日にねって、買ってくれたの…」




一瞬美恵の落とした視線が何故だか暗く見えた。




「毎年、記念になるもの集めていこうね、って」 





そう言ってまた笑顔を向ける表情はいつもの愛らしい美恵だった。





「そうなんだ。良かったね」




瞬時にまた心に雲がかかる。




一瞬美恵の瞳の奥に見えた暗闇を、





心配していると思いながら奥底では、





コイツにも不幸があればいいのに。





なんて考えた、私。






でなければ、




あんた、私への哀れみの表情を浮かべて何様?





そうやって思ってしまう。