「ちょっと、動かないで」

「あ、ごめん」

って、なんで謝っちゃったよ俺ーーーー!!

「えっと、最後は腰周りか……」

前に回ってきた壺山が、メジャーを俺の腰に巻きつけた。

ちょっとちょっとちょっと!
顔が近い近い近いっ!!
体も密着してるからっ!!!!

「おい壺山、ありえないから!」

俺は慌てて壺山の肩を掴んで少し体を離し、顔をそらす。

顔をそらすと、皆、ぽかんとしていた。

手元のメジャーを見ていた壺山が、うん、と頷いた。

「よし、大丈夫。測れたよ?
で、なにがありえないの?」

「……。もういいよ、言うだけ無駄っぽいし……」

俺の視線も周囲の視線もものともせず、壺山は我が道を行っている。
さすが壺山。