「あ、今!
ね~、と、じゃねぇ、を、かけたの?
昼も、正装とそうそう、かけてたね。

もしかしなくても言葉遊びが好きなの?」

「ちっがう!」

くっそ、短時間に二回もこんなこと……!
てか、もしかしろよ!!

こいつといると調子が狂うな……。

俺は渋々壺山に言われるがまま、後ろを向いた。

背中に左から右へと、メジャーが伸ばされる。
小さな手が俺の背中に触れて、動いてる。

「良いなぁ、安城。
美少女とのふれあい……」

「うるさい野崎、違うっつってんだろ」

ゲームの手を止めて、野崎と岳がこっちを見ていた。

「壺山の姉ちゃん、なんで敏兄ちゃんを測ってるの?」

「ぴったりのタキシードを用意するのよ。
来週の土曜日、パーティに一緒に行くの。
その時のタキシードの用意のために、今測ってるの」

手をメジャーやらメモやらで忙しそうに動かしながら、岳に返事をする壺山。