隣の席の不思議系彼女

「はい、メジャー」

「ありがとうございます、お借りします」

お嬢様モード発動中の壺山は、丁寧にお礼を言って、母さんからメジャーを受け取った。
にこにこと笑い合っている2人。

リビングからは格闘ゲームをする弟と野崎の楽しそうな声。

……もうほんと、どうなってるの。

「さ、安城君、測ってみようか」

メモ帳とペンをテーブルに置き、俺に立つように促す。
仕方なく立ち上がり、メジャーを持つ壺山の前に立つ。

「後ろ向いて? 肩幅から測りたい」

「え、じゃあ壺山が俺の後ろに回れば良くない?」

「あらダメよ~!
女の子は大事にして、自分から動ける男になるのよ、敏。ね、壺山さん」

「ね~」

「だ・か・ら!
ね~、じゃねぇんだよ、壺山」