隣の席の不思議系彼女

「やっぱ持ってない」

「じゃあ仕方ないわね……」

お? 俺のパーティ参加を諦めてくれるのか?

「貸すわ、今日も家に来て」

「……え」

「サイズを測ってもらって、安城が着れそうなタキシードを用意するわ。

いいわね?
放課後の予定なんて、安城にはないわよね?」

「……」

だからなんなの、その押しの強さ。
しかも予定なんてないって、失礼だろうがよ!

「あ、あるよ、予定くらい」

「へーぇ?
聞かせてもらいましょうか」

むっとして言い返したは良いけど、ニヤニヤと顔を覗かれてしまった。

えっと、予定、予定……。
まぁ特にないんだけど、何か言わないと……。

「う……」

「ほら、ないんじゃない。
まだやってるの?
一旦断ってみるゲーム、だっけ?」

……だからそれ違うって!