夏休みに、厳しいらしい上間さんの父親に、頼み込んで頼み込んで、どうにかこうにか付き合いを許して貰ったとかなんとか。

上間さんと森下君の2人は、いつも一緒にいて仲睦まじい姿がよく目撃されている。

……良いなぁ、リア充。
俺はうざいやつらに絡まれる毎日だってのに。

「壺山さん、パートナー、決まった?」

上間さんが尋ねると、壺山は勢いよく頷いた。

「安城を連れてくことにしたの。
安城、こっち来て」

「あ?」

突然呼ばれた俺は、何も考えることなく壺山のもとへ向かった。

「安城君、初めまして。
上間凛、と申します。
今度のパーティにご出席頂けるとのことで、ありがとうございます」

上間さんが丁寧に俺に頭を下げた。
それに合わせて、後ろの森下君も頭を下げる。

「え? いや……」