隣の席の不思議系彼女

「学校こっちだから、僕行くね!」

「母さんもこっちだから」

岳と母さんが、曲がり角で手を振った。
……こっから俺と壺山2人か……。

「2人とも。いってらっしゃ~い」

壺山はにこやかに手を振っている。
歩き出していた2人は、振り向いて手を振り返して、また歩き出した。

「壺山、なんのつもり……?」

「え? なにが?」

いやいやおかしいだろ色々と!
昨日からなんなんだ、と。

学校に向かうために一緒に歩きながら、壺山をじとりと睨む。
それを気にしていない彼女は、こちらを見て言った。

「なんで安城、昨日からキリキリしてるの?
なにか落ち着かないの?
ほら、深呼吸、深呼吸」

俺の背中に手を添えて顔を覗き込み、スー、ハー、としてみせる壺山。
いやいや違うだろ?!