「……そっか」

一所懸命説明する壺山。
どうして心に区切りがついた宣言を俺にしようと思ったのかは謎だけど、まぁそれで少しでも前を向けるなら聞いて良かった。

想いを吐き出すだけでも、すっきりすることってあるもんな。

ポンポンと頭を撫でると、にこりと壺山が微笑んだ。
俺が返したさんちゃんとの写真を愛おしそうに見つめている。

「さんちゃん。わたし、頑張るね」

写真に話しかけてじっと見つめたあと「はい」と渡された。

え? いやいやいや。
今、俺見せてもらった写真を返したんだよな?
なんでそれがまた手元に戻ってきた?

「なんてツッコんだら正解……?」

「ん?」

だから、きょとんとするなって。

「壺山、この写真さ」

「うん、持ってて!
わたしの中の区切り!!

安城に預けるからね」

わぁ、意味分かんない……。
しかもなんでそんなに嬉しそう?

「でも、大事な写真なんだろ?
俺が持ってても……」