案の定、私はテストに自信がないため教室で1人残り勉強していた。

気がつくともう、6時だった。

完全下校の時間になりました。生徒のみなさんは─

と放送が鳴る。

帰る準備をしていると

「お疲れ様。こんな時間までしとったんか…」

そう、声をかけてきたのは先生。

「だって、先生が今日あんな茶化してきたから!」

先生は笑いながら

「ゴメンゴメン、だって気を引こうとしてやったってバレバレやったからつい、面白くてさ笑笑」

「べっ別にそんな事思ってため息ついたんじゃないし!」

「はいはい、分かった、分かった。」

口を膨らませると、

「それ、反則だろ」

と言われた。


思わず、え?と聞き返す。

「それ、もえた。」

顔が赤くなって言う先生。
可愛くて仕方なかった。

「さ、下まで送ってやるから行こ」

話を逸らすように先生はそう言った。