「結愛様に何か…」
「おそらくあいつは喘息をもっている
何かしらの治療はした方がいいだろう」
「では、そのように取り計らいます」
“遥太”は俺らが世話になっている
病院の院長の息子。
世話になってると言っても表向きは至って普通の
規模のデカい大学病院だ。
遥太は俺の4つ上の26歳
院長の息子ということで
ヤツも医者をやってるわけだが
先代の黒龍の筆頭幹部だった。
俺と遥太は普通のヤツらが6年かけて学ぶ医学を
コネも使いながら4年で医師免許を取得した。
医大の学長でもある遥太の親父さんのおかげで
一般入試を16歳で受けさせてもらい、
実力で合格を手にし
そこから医大生と同じように学んだから
21様の誕生日を迎える前には医者になった。
一足先に医者になっていた遥太から
つい最近まで仕事の合間に
研修のようなものを受けていた。
だから結愛に聴診器を当てた時に
音の異変に気づいた。
検査と治療をする必要がある。
が、俺にはやるべきことがある
結愛の身の安全を確保してやること。
この家にいるのも
安全だと言いきれない。
今は遥太に任せることが最善だ