私は再び目を覚ました





身体中は相変わらず痛んで動かせない




しかし頭痛はだいぶ引いた




ぼやついていた視界はだんだん鮮明になる





自分がかなり広い部屋にいることを理解した






さっき一度目を覚ました時から



どれほど時間が経っているのか




時間の感覚は全くない。




男性に会った記憶が微かにある




あの人は誰なのか



考えるほど頭がガンガンする




動くことも考えることも諦めた




冷静に考えれば


どうやってもここから出られそうにはない




ふと上を見ると



自分が点滴されていることに気がついた





(病院…じゃないよね…?)





ぼーっとする頭に手を当てた






ガチャッ…




「起きたか?」




男性がベットに近づいて来た




余りにも綺麗な顔をした男性が。




この人があの優しい手をした人だと直感した




だか、顔はどちらかと言えば真逆だった。




綺麗過ぎて怖い。




いや、今はそんなことどうでもいい…




私の手を外し、大きな手がおでこを覆った



あぁ、やっぱりこの手だ




「熱はだいぶ下がったな」




「……あ、あの」



声が掠れて上手く出ない



それでも



彼に私は言わなくてはいけないことがある




「…………あり…がとう…ござい…ます」




彼は少し口角を上げ




私の頭を撫でた