「宮野結愛は黒崎組で匿う
どのみちあっちには黒崎組が
関与していることはバレてんだろ
瀬尾組と対立できるいい機会じゃねぇか」
「しかし若っ…」
隼人が反論しようとした時
ドタッ…
隣の寝室から低い音が響いた
俺は腰を上げ寝室に向かった
寝室のドアを開けると荒い呼吸をし
床に倒れる彼女がいた。
(逃げ出そうとでもしたのか
しかしよく動けたものだ…)
「目、覚めたか」
声をかけるが反応はない
彼女に近づく
怯えている
そう感じた
「怖がらなくていい
手を出したりはしない
俺たちはお前を買った奴らとは違う」
彼女に触れるとビクリと小さな身体を震わせた
熱はさらに上がっていた
彼女を抱えてベットに戻し
外れてしまった点滴を直した
目は開いてこそいないが、意識を保とうとしていることは分かった
「もう眠っていいぞ
ゆっくり休め」
彼女の瞳の上に手をおき
眠らせた