龍太「どうした?
疲れたか?」
「そんなんじゃないです、ただ…」
龍太「ただ?」
「ずっと、このままがいいな…なんて」
ははは…と乾いた笑いで笑顔を作って誤魔化してみる
訳もなく涙が出そうになって龍太さんに背を向け海を眺める振りをする
すると後ろから龍太さんの腕が回されたと思えば顎を掴まれ、上にあげられた
見上げた先にあるのは綺麗な顔
その瞳に吸い込まれそうだった
龍太さんは私の顔を見つめるとすぐに手を話した
龍太「結愛、こっち」
龍太さんの大きな手に引かれて着いた場所は、少しだけ人気のない防波堤の上。
足を投げ出して腰掛けると、自分の隣をぽんぽんと叩いて「ここに座れ」と合図した
言われたままに座って目の前の景色を見れば、高い位置から海がよく見えた
「……すごい………、綺麗……」
潮風を浴びると、息を吸うように自然に涙が出てきた
「…っあれ、おかしいなっ」
必死に擦ってふざけてみるけど、全然止まんない
むしろ溢れて前が見えない

