その声を合図に組員が襖を開ける



「失礼します」



広い和室で1段高くなっている上座に座している親父の向かいに敷かれた座布団の上に腰を落とす



「若頭、黒崎龍太。ただいま戻りました、親父」



頭を下げる



親父「久しいな、龍太

まぁ堅苦しいのはいいから、頭をあげなさい」



顔を上げると、親父の隣には晃さんが、両サイドには顔見知った親父の側近が控えていた



「ご無沙汰しております」



親父「週一の幹部会議に仁だけ寄越して、お前は全然顔を出さなかったな

そんなに医者が楽しいか」



「……」



親父「好きなことをするなとは言わん、お前が優秀なのはよく知ってる

しかし、私としてはそろそろこっちに重きを置いて欲しいと思っている」



「心得ています」



親父「せっかくなった医者だ。

完全にやめろとは言わんが、中途半端なことにはするな」


「……」


親父「それから、瀬尾組と例のお嬢さんの件はどうなった」



「は、先日無事に取引完了し落ち着きました。宮野結愛の所有権はこちらにあります」



親父「して、そのお嬢さんをどうするつもりだ?」