“結愛を守る”そんな覚悟は既にできている




だが、俺は結愛の人生までは守れない





ベッドの白さに溶け込んでしまいそうな結愛の顔をぼんやりと見つめていると、彼女の長いまつ毛がフルリと揺れた



そして大きな瞳がゆっくりと開けられた




「.......おはよう、結愛.........」




頭の整理がついていないまま、結愛のと目を合わせてしまうと



罪悪感のような葛藤のような、名前のない感情が俺の胸を支配して



結愛に掛ける言葉が見つからずにやっと出た言葉はただの挨拶だった




「.........おは.......よう.....ございます.............」




かすれた結愛の声がかえってくる





“もう大丈夫だ”とか“怖い思いをさせてすまなかった”とか




言える言葉はいくらでもあるのに、言葉たちが喉につっかえて出てこない。




「...............................」




「.............りゅ.............た.............さん...........?」