我々は今問題が起こった藤山の店に脚を踏み入れている





若を先頭にバーの奥へと脚を向ける4人






私(柴田 仁)の前を歩く若はあまりにも目立ちすぎる






それはこの世の人間には見えない程綺麗な顔をしているから





だから、バーにいる客達からの視線がうるさい





しかし、ただ一人として話しかけて来ないのは、若のオーラのせいだろう





いつもより目に見えない黒いなにかが背中から溢れ出している





黒崎組が仕切る街で薬を売買するなんてここ最近なかったことだから、若も本気で潰そうとしているのだろう




久しぶりに若も暴れるのかもしれない





最近、黒零の方でも抗争はだいぶ減った





というか、黒零に台頭してくる族がいなくなったように感じる




総長である若が強すぎるから




若に素手で勝てる人間が果たして地球上に存在するのだろうか…



若が総長を担う黒零も黒崎組も正統派である



武器にも女にも薬にも手をつけない




手をつけた瞬間に処刑される




だから今回も藤山は処刑を受けることになる




藤山はもう逃げられない
黒崎組の兄さん達が店の周りを今ごろ囲っている



だから裏口から出ようとしても無駄になる



まぁ、逃げる前に若に捕まるでしょうからそもそもその時点で逃げられないんですけどね