この書斎は他の部屋に比べて広いわけではなく、さらには本棚がひしめき合っているため多少窮屈に感じる


だが、1人で籠って考え事をするには本棚に囲まれた窮屈な部屋と机が妙にしっくりと来るのだ


持っていた聴診器を定位置の引き出しにしまい、部屋を軽く整理する


結愛が使いたいと言い出すかもしれない、そんなことを考えて。



しばらくしてリビングに戻ってもそこに結愛の姿はなかった


とっくに片付けは終わってもおかしくはない


俺は結愛がいるはずのキッチンに足を向けた


奥から結愛と和也の声が聞こえる


覗いて見れば、和也は身長を屈め結愛に顔を近づけ、あろうことか結愛の頭を撫でていた



俺は身体中の血液が沸騰するような感覚に陥った


理由の分からない苛立ちがふつふつと湧いてくる


「なあ、まだ片付け終わんねぇのか?」



気がつけば口からイラついた声が出ていた


俺にびびった結愛は慌てて片付けてる一方で和也は余裕のある少し困ったような笑みを浮かべてこちらを見ている


その顔がさらに俺をイラつかせた


片付けが終わったといい焦った様子で俺の近くに来て見上げてくる結愛


思わず俺の口から出た舌打ちにびくりとしたかと身体を震わせ俯く