その後もいくつか質問されたが、暇を持て余した俺には暇つぶしという意味で好都合以外の何物でもなかった


保育士はというと、泣き叫んだりケンカしている子供の世話にかかりっきりで、こちらは見向きもしなかった


園児に対して保育士が少ない気はしたが、こちらサイドに目を向けられないこともまた、好都合であった


最終的には遊び相手をさせられたが、あまりの可愛さに断ることなんてできるはずがなかった


突如として手を止めた少女が俺の顔を覗きこんだ


「ん?なんかついてるか?」



「りーにぃのお目目きれい…

宝石みたいにきらきらしてる…いいなぁ…


ゆあもほしぃ…」


「……欲しいって言われてもなぁ…」


「りーにぃばっかり、ずるい」


幼児を相手にすることに1ミリも慣れてない俺はなんて言い返してやったらいいかなんて分かったもんじゃない


「…ゆあの目だって……宝石みたいだよ」


困り果てた俺の口からでた言葉は顔から火が出そうなほど小っ恥ずかしいものだった



「わぁっ!ほんとぉ?」


俺の言葉を純粋に受け止めた少女は俺の心中など察することなく喜ぶ



「りーにぃだいすきっ

りーにぃまたここにくる?」


「……わかんない…」


「ぜったい来てねっ

ゆあはここにいるからねっ!約束だよっ!」


あぁ、じゃあな。と軽く返事をして痺れた足を伸ばし立ち上がり、去ろうとした


歩み始めた俺をゆあが止めた


「まって、りーにぃっっっ!」