私が苦しいのを顔に出してしまったのか
「大丈夫だ
ゆっくり、深呼吸して
そうだ、吸えるようになっただろ?」
私の背中を大きな手がさすってくれる
「…落ち着いたか?」
「……はい…
ケホッケホッ…」
自分の口からは想像以上に掠れた声しか出なかった。
返事につられて出た咳のせいで喉に焼けるような、切れるような痛みがジーンと広がり
またもや眉をひそめてしまった。
「…あぁ、喉…痛いよな
ちょっと待ってろ」
またしてもカーテンの外に消えて行った龍太さんはしばらくしてから戻ってきた
ピンセットで何かしている。
すると龍太さんは酸素マスクを外した。
「…口、開けて」
なんだか官能的な龍太さんの顔に向かって口を開くことは躊躇われた
「……結愛。
口、開けて。あんまり痛くしないようにするから」
(…ってことは痛いのかな?)
おずおずと口を開いた。
龍太さんの親指が唇に触れる
(……ドキドキしすぎて…
……心臓が口からうっかり出てきそう…)
ピンセットが私の口の中に入ったと思った瞬間に激痛が走った
「…ぅぅっ……」
控えめながらも声が出てしまった
でも龍太さんはやめてくれない。
喉もとに何度か激痛が走った後に口からピンセットが出された