「じゃあ松井先生、よろしくお願いしますね?」

いつもの笑顔に戻った西先生は先生にそう一言残すと図書室をあとにした。
あんな低い声出せるんだ...
それに...渚くんって...あの先生とも関係持ってるのかな...。

「何話してたんだ?」

先生はかけていた黒縁メガネを外して座っている私を後ろから抱きしめる。
...私この黒縁メガネすきなんだよねー。

「...特に何も。」
「そんなはず...「他の」
「...え?」
「...他の女の人の話するくらいなら違う話をしよう?...だめ?」
「...そうだな。」

「...ねぇ先生?」
「ん?」
「先生は...好きでもないのに自分を求めてくれるからってだけの理由で女の人抱ける?」

言ってから気がつく。
私はなんていう質問を...!!!!
あぁぁぁ恥ずかしい...

「急にどうしたんだよ?」
「...気になったの...。どういう思いなのかなって...」
「...抱ける、かもね。
自分の価値観がわからなくなった時、
自分を求めてくれる子がいたらそこにたとえ恋愛感情がなくとも...」
「...」
「もちろん、みんながそうじゃないとは思うがな。」

へらっと笑いながら言った先生の腕をほどいて私は先生のネクタイに手をかける

「なら私は?」
「え?」
「私には恋愛感情...ない?」