「うん!」
「本気になったりとかしないの?」
「...そういうのってさ、普通の子が思っていいことでしょ。」

...まただ。昨日と同じ。
その諦めた声と冷たい目...

「好きとか思っちゃいけないとか普通がだめとかなんでそう思うのか分からないけど、
誰も瀬戸くんの感情を否定する資格はないから...何があったかわからないけど、誰かを好きになったりしてもいいと思う。」

「...ムリだよ。俺には...っ」

悲痛に顔を歪ませ苦しそうにいう瀬戸くん。
その顔があまりにも苦しく、悲しそうで
私もなんだか苦しくなる。

「どうして...?」
「...俺には...みんなにあるものがない。」

それだけ言って席を立ち図書室を出ていく瀬戸くん。
入れ違いのように松井先生も入ってきて...

「守山さん?」

こっちに向かってくる松井先生を横目に私の元へとくる図書室の先生。

「なんですか?」

不思議に思い首をかしげていると耳元に顔を近づけて低い声で...

「渚くん。傷つけたらあたし許さないからねぇ?」
と言った。

「...ッッ!!」