報復の愛を君に。

「あの!」

廊下に、俺のでも花岡のでもない声が響いた。

目をやると、俺たちが来た方向から、1人の女子生徒が走ってくる。

なんだ?

その子の顔はとても真剣で、鬼気迫るものがある。
大丈夫か?

「花岡さん!」

どうやら花岡に話があるようだ。

あーあ。
良いところだったのに。
邪魔しやがって。

「私、大葉荘の出身なんです。
少しお話しさせてもらえませんか?」

大葉荘?
なんだそれ?

だが、花岡にはそれだけで通じたらしい。
2人はどこかへ行ってしまい、俺は車で待機することになった。