報復の愛を君に。

「そちらの方は?」

「えっと…」

ようやく俺に気づいたか。
答えに詰まった花岡に変わって自己紹介してやろう。

さっと笑顔を張り付け、喉も作る。

「どうも初めまして。
花岡の同僚の梅原です。
今日はよろしくお願い致します」

え!
と、すごい勢いで振り返った花岡。

いいね。その顔。
写真に撮っておきたいよ。

教師の後をついて、体育館まで向かう。

“なんですか、同僚って”

小さな声とともに、肘で小突いてきた。

“いいだろ別に。
わざわざ説明してた方が変だって。
ああ言った方が、シンプルでわかりやすいだろ?”

“そういうもんですか…?”

全然納得してないみたいだけど、体育館に到着したからとりあえずこの会話は終了。