報復の愛を君に。

「そういや、この間待ち合わせてた男って彼氏?
ほら、俺が飯に誘ったとき…」

「あぁ、壱にいのことですか?
彼氏ではありません。
幼い頃からの知り合いで、兄のように慕っている人ですよ」

「へー…」

壱にい…か。

彼氏ではないよう。

だがしかし。
危険人物には間違いないようだ。

きょうだいみたいな関係とか言いながら付き合いだしたカップルを何組も知ってるからな!

あー、気分悪いな。

「え、気分悪くなったんですか?」

は?何?

まさか俺、今の口に出してたのか?

「車停めます?
窓開けましょうか?」

「そんなんじゃねーから大丈夫」

ったく、どっちが振り回されてるかわかんねーな。