報復の愛を君に。

「お前さ…。
何かあった?」

「何か?」

「わかんねーけど。
普通の人が経験しないような、何か」

目が、一瞬伏せられた。
きっと思い当たる節があるんだろう。

そしてこいつは嘘がつけない。
こうやってすぐに顔に出る。

…言いたくないんだろうな。

「そこ、右に曲がってください」

「あぁ…」

また線を引かれたな。
これ以上近寄るなと、警鐘を鳴らされているみたいだ。

いつになったら、一歩踏み込ませてくれるんだろうな。

こっちがオープンで待ってても、見向きもせずに素通りだもんな。
やっぱ俺からいかないと話が進まねーよな。