報復の愛を君に。

「そのことは上司から伝えられました。

君が手をあげたのは、今度区役所での会議にお越しいただく梅原先生のご子息だと。

でも、それを言われたところで、謝る気にはならなかった。
私だってあの時は腹が立っていましたから!
謝らないあなたを見て、思いやりの欠片も無い、とても酷い人間だと思いました。

ですが、過呼吸で倒れ込んだ私を助けてくれたと聞いて、私の判断は間違っていたかもしれないと思い返したんです。

あれだけの人の前で責められては、謝れるものも謝れない。
私にも非があったことに気がつきました」

おいおい。
話がややこしくなってきたが、ざっくりまとめると、つまりは…。

「俺がお前を助けてなかったら?」

「謝罪にはもう少し時間がかかっていたかと思います」

まじかよ。