報復の愛を君に。

こいつを前にしてたら、自分以上の能力を見せつけようとするのが馬鹿らしくなる。

「また、構ってやってもいいけど。

お前を家に送ったあの日から、なんかずっと調子出なくてな。

…今日会えてよかった。

ずっと会いたかったんだ」

これが、心の底からの言葉。

「私も、会いたかったです」

ゆっくりと、花岡の小さな手が、俺に触れようとしてるのが見える。

そっと手を差し出すと、指と指が重なった。

カツンと花岡が一歩踏み出す。

え?

そのまま俺の腕の中におさまった。

想像したよりも華奢で、力を加えたら本当に壊れてしまいそう。