こんなにきらびやかな女が目の前に何人もいるってのに、なんで花岡なんだろうな…。

改めて自分の状況を振り返ってみる。

「最近全然来てくれないから心配してたのよ。

どうしてたの?」

「…」

何をやっても上の空な俺を心配した友達が連れ出してくれたはいいが、どうしても花岡を思い出す。

花岡のやつ、俺に過去を打ち明けたこと後悔してねーかな。

…仮に後悔してたとしても、あの壱にいとかいう男がしっかり支えてやってんだろうな。

兄と呼んでて、あそこまで親しいってことは、きっと同じ施設で育ったとか、そういう経緯がありそうだし。
そりゃ、俺には入り込めねーよ。

どう考えたって、遠くの男より身近な兄だろ。

やってらんねーな。