「何かやりたいこと決まった?」



金曜日の夜。

ジャングルジムの上もうすっかり夏の匂いが染み付いた公園で相変わらずいつも通りを目指す二人がいる。



「うん」



最近たまにナツメ君が本当に笑う時がある。
それは少しあどけなくて幼い昔のナツメ君に似ているきがしてドキッとするのだ。



「これがしたい」



ノートの中央、サラッとした綺麗な文字。



『夜の学校に行きたい』



「不法侵入!」


この前言われたからそう言い返すと案外、やっぱり?としょげられてしまう。



「ダメかなー?」



「…行かないって言ってない」