私は教室につくとナツメ君のカバンからノートを強引に取り出して、赤ペンで


『未練』


に二重線を引いた。



「紫音ってたまに、男前だね」



「か弱い女のこです」


「はいはい」



そんなことを言いながら私は未練の下に文字を並べる。

ナツメ君みたいにサラッとしたキレイな字でない丸っこくて乱雑な文字になってしまったけど気にしない。


そう、意味が大切だからね