金曜日の流星群

瞬間力が抜けてバランスを崩す。
ジャングルジムの上でフラフラと危なげな行動をした私を包み込むように抱きしめた。

これが単にバランスを崩しただけならきっと私は有頂天に舞い上がってる。
ナツメ君腕の中で必死に赤くなった顔を隠している。

でも、今はそんなのどうでもいいぐらい許せなかった。
得体の知れない何かが許せなかった。



「そんな顔しないで?紫音が悲しむ必要ないじゃん」



私を安心させるために強く抱き締めてくれるその腕にすがることしか出来ない私はなんなんだろう。

私の何倍も辛い人の体温を感じて涙が止まらない私はなんだろう。

無力な自分とかそんなかっこいい言葉で決めることの出来ない衝撃が全身を貫いていた。



「僕は入院してるんだよ、だから毎日抜け出してここに来てる、その代わり毎日怒られてるけどね」