「え?」



クラス中が静寂に包まれる中、私の心拍だけが全身に響き渡る。


…あれ?今の日本語?


ザワザワとしだした頃、女の子達が私を睨む仕草を見て取れる。そらそうだ。

クラスで目立つ人間じゃないし小さい集団のこれまた影の薄いところに見え隠れするような私の名前が、

学校どこにいても二度見され、注目を浴びるキラキラ人気イケメンの『ナツメ君』に呼ばれたんだから。



「おーい、そこのプリント用紙」


どうやら行かせる気満々のようでナツメ君は既に歩き出していた。



「あ、えと」と言葉にならない声を発して慌ててプリントを担いだ。