ノートを閉じて涙で潤んだ目を乾かすように空を見る。
なみだでぼやぼやなのにそれはずっと鮮明。



「……ナツメ君、最高のプレゼントだよ」



空には、十年前ナツメ君がくれたプレゼントと同じ光景。

無数の流星群が頭上に線を引く。
綺麗なんて言葉じゃ収まりきらない。

別世界の空を現実の空に重ねて、さらに星たちを煌めかす。

一つ一つが光源となって燃え盛って宙を駆ける。
新月だから月になんて邪魔をさせてやらない。



星はヒーローだから。



ナツメ君が星になるというのなら私のヒーローは間違いなくてナツメ君だよ。

ナツメ君は月みたいにいなくならない。

そうだよね?

勝手に星になっちゃったけど、いなくなってはないんだから。



だからそっちばっかり伝えっぱなしなんて許さない。ちゃんと聞いといてよ…





「ナツメ君、愛してる」