それこそ、ナツメ君が独り言で言っていたみたいに、一人だけヘリコプターに乗って眺めてるだけ。

後追いをしようと思って何度か病院の屋上に行ったり、駅に行ったり、学校に行ったり、意味もなくカッターを出したりしたけど勇気なんてさらさらなかった。


ナツメ君と一緒なら逝ってやるって思ってるからとりあえず今日の約束だけ果たしてから死のうと自分の人生を先伸びしにしていた。


まだ夜まで時間がある。


手に持ったノートをゆっくりと開く。


表紙の次のページには、サラッとした端正な文字『未練』を大雑把に赤色で線が引かれ乱雑な私の字がデカデカと書かれていた。


次のページからはナツメ君のやりたいことが載っている。