ナツメ君は笑って頷いて何も言わなかった。

私もナツメ君がそんな反応ぐらいしかしないと予想していたし恥ずかしくてドアを向き直り、出ようとした。



「ばいばい」



「うん、また来る」と本格的に1歩足を踏み出した。



「あ、紫音!」



「え?」



「好きだよ」



ナツメ君の声は鼓膜を微量だけど揺らした。