「今日はいっぱいごめんねって言わなきゃね」



「ナツメ君悪くないじゃん」



反射的にそう返してナツメ君のシーツを握りしている手を見る。
白くて細くて綺麗な手。
消えちゃいそうな手だ。



「頼みたいことがあるんだけど」



「何??」



「そんなに構えないで大丈夫だから」


くすくすとからかったように笑う。
ちょっとムカついたけど、これだからとホッとした。



「今から僕は一人で喋り続けるから、何も言わないで少しの間聞いといてくれない?」



よく分からない頼まれ事だったけど、私はよく分からないまま頷いた。