「ナツメ君!!」



病室に飛び込んだのは、悠君と電話をし十五分後ぐらいだ。
消毒液の独特の匂いを肺いっぱいに吸い、切らした息を整える。

ナツメ君の病室はベットが1つ。
やたらと大きい部屋にあるだけだった。



「紫音?…もう面会時間過ぎてるし、なんで部屋番号知ってる?」



「そんなのどうでもいい!ナツメ君が変だったから…」



私はナツメ君の寝ているベットに近づいた。
横にある棚の上には例のノートと花が飾られている。ナツメ君は唖然として目をくるくる回している。



「……何かあったの?」



控えめにナツメ君が笑って濁してしまわないように聞く。



「何もないよ。」