「ごめん、もう寝るね」



「えっ、ちょっと待ってまだ6時半!」



「僕は入院患者だよ、病人に無理させろって言うの?わかったんなら切るよ」



プツン…


スマートフォンを持つ右をだらしなく下ろした。
ナツメ君はいま病院にいる。

なら病院で何かがあったんだっ!


行かなきゃ!


私はなんの衝動に駆られたのか脳みそフル回転でとりあえず悠君に電話をする。



「紫音ちゃん?」



「ごめんね、急に」



「いいけど、メールじゃだめ案件?」



悠君は私のがっつき具合に引きながらも対応してくれた。



「ナツメ君の病室って分かる?」



「分かるけど教えていいものなの?ってか、もう後少しで面会時間おわるよ」




私は夕日を睨みつけて頼むから沈むのを待ってくれと懇願する。
悠君はどうやらナツメ君の病室を知っているみたい。