お母さんがこっちを見つめている。

お母さん、ごめんなさい!!


傷つけてごめんなさい。

悪人なんて言ってごめんなさい。

その役をわざわざかってくれてありがとう。


お母さん…



「大好きっ!」



十年前の気持ちが戻ってきて怖いぐらいお母さんの像が美化されていく。

この十年大嫌いだと思っていた。思おうとしていた。

でも、でもね。


どうしても、嫌いになれなかったよ…



「紫音ちゃん、私もよ。私も大好き。愛してる」