んん…

光が視界に入って体が重くなる。

夢だと感じられない自分の体重とイヤホンを着けながら寝てしまったから耳が圧迫されているのも感じ始めた。




「……ヤな夢」



やたらとリアルに感じるいつもの夢。

夢の間が幸せすぎるから反対の現実に幻滅させられる。

あの感情はもう薄れていてもいいはずなのに、夢から目覚めるといつも目元が濡れている。




「もう会えないのかな」



誰に聞こえることもないままその言葉は空気をさまよった。