「欲しいものってなに…?」



「恥ずかしいから言わない」



恥ずかしいとか言いながら髪をくしゃくしゃと乱暴に撫でてはなれていく。
ボサボサになった髪に指を通して直しているとみんなが屋上から降りてきた。



「紫音がいる!」



「お、何?二人で何話してたの?」



「目玉焼きはソース派か、塩派かって話。」



ナツメ君は悪びれる様子もなく嘘を言う。
困惑している私をよそに話は急ぎ足で進んでいく。

それを嬉しそうに見つめるナツメ君、この瞬間が頼られているってことになるのだろう。

だったら、このメンバーは一番頼りがいがある。

みんな幸せを作るのが上手だもの。