ナツメ君が優しいことは知ってる。


かっこよくて、優しくて、どこかミステリアスな人気者。映画のヒーローで、小説の主人公。
特殊な能力を持っちゃったりとか、人を助けたりとか、そんなことが出来ちゃうような人。


一人で抱え込まないでって言えば良かったのかな…



「バカだな…」



ナツメ君に言葉で言われなくても頼られてると思って、素直に言わなくても分かってくれるんじゃなんて期待した。自意識過剰だったって…。




「バカだからねぇ」



「え…っ」



階段を降りきって疲れたから1階の階段裏で壁に背中を預けて立っていたら、ぞろぞろと女の子の集団。

私よりもクラスで影が濃くて、発言権がある方ばかり。